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映画字幕自力クソ翻訳の余談~ディジャンゴ2012

スラング

タランティーノ作品を訳すにあたって先ずスラング語句と文法の解釈に不安がありました。私程度の自力翻訳はインターネット検索があってこそ可能なのですが、それでも定番の f**k とか son*fthebit*h とかshit, da*n, da*med とかは大体日本語にすると

チキショウチクショウバカアホマヌケクソシネボケナスアホカスブタケツロクデナシヤロウテメエコノヤロバカヤロコマネチドタマカチワルドオドレスドレパチパチパンチヤデコノヘンデカンベンシトイタロ なのです。んーイマイチ。



侮蔑語や蔑称も辞書サイトで探して参考にします。江戸前起源の粋でイナセな蔑称はハッキリ言って上品で使えません。明治大正昭和の差別用語は逐一歴史背景がありますので凄惨暴力な語句として理解し難い。これ下手こくと、たった一つの侮蔑語から結構な歴史勉強に通じたりします。

そんな訳で、NYブロンクス(とか行った事ありませんけど!)の埃っぽいけど湿って汚い糞尿の臭いが漂う路地裏みたいなメリケンイングリッシュスラングは、日本語にすると超ダサマジサイテーってカーンジ?(顔文字絵文字)です。

例:「超ダサマジサイテー」は、ざっと検索して That's suckin' dweeb, Shitfire とか組み立て出来るわけです(当地で通じるかは別)。これだけでも ザッッサッキンドゥイーヴシッファイヤ♪  って何だか音はカッコイイ。文字にしてしまうと色褪せるのがスラング、口頭で勢い良く発声してこそニュアンスが伝わる特質も、その理由ではないでしょうか。スラングは発音で見聞きする上では大変カッコイイのです。

次にスラングでは無いのですが、南部が舞台の映画台詞でよく見かけるのが、*****in' です。私よく理解してないので進行形+反復動作中語 と捉えてますので「ドタバタ○○○in'しちゃってる」的意味で想像します。
正しくは、ing の「g」省略みたいです。本作では頻繁に見掛けました。~in' が出てくると大変タランティーノらしいと思えてしまいます。

ass とか
お尻(ass)という単語がよく出現しました。殆どが your ass~オマエ! というキツイ代名詞に使われています。意外と F**k, sh*t は使われて無かったです。

ここまで参考
えいごがくしゅうちょう: ちょーダサい
fuck'inの「'」はどういった役割を果たしているのでしょうか。よく「'」が省略され...

英語に感心した点

「英語は動詞が重要」と聞いた覚えがあります。「先ず主張する言語」って理解をする前に、多種多彩で細分化された動詞を備えているのが英語だと思います。「考える・思う」で済ませられる日本語はとても便利でやはり「アイマイだよニホンジン」と言われても仕方が無いと思う言語体系です。この点、英語は think, guess, know, recken, suppose,,とか、対象状況に応じて適切な動詞が存在しているので、ロジカル思考にピッタリだと思います。別のSF映画で「転送!」って台詞があるんですけど日本語では全部「転送!」でも、英語の台詞では エネルギー化せよ!/転送送信だ!/転送受信だ!と一々言い回しが違います。同じく「発進!」も 僕らお外へ出るよ!/駆けろ!/結んで絡んで作動して従事して!とか翻訳者泣かせの決まりも加わったりで中々大変ですね。
続く単語を忌々しく強調する go*damn という用法は多いです。これ見ると、英語って簡単にカッコよく表現できていいなぁ~と思います。今時の映画では使って当たり前の「デーーム!ガッデーーム!」ですが、例えば"ショーシャンクの空に"ではショーシャンク刑務所長が「神を冒涜する言葉を使うな」と台詞上で言ってますし、バイオレンス映画の"MADMAX"では、無茶で言葉が汚い同僚ループに対し、チャーリーが「冒涜するような言葉を使う人は嫌だ」と言う台詞があります。作品によっては制作・監督側で「汚い言葉ですが映画の設定上使っていることをお許し下さいって言っておく」とキャラの台詞を利用したりします。制作者の宗教観と云うものは、作品テーマのみならず、已むを得ず登場する台詞回しに対する弁解手段にも見て取れるような憶測を持っています。

劇中で関心・苦悩した英文

  • ジェイミーフォックスとサミュエルLジャクソンは早口過ぎて字幕にし難い
  • Meet me in the lobby. ロビーで会いましょう。
    文頭動詞とくれば要求と考えがちですが、これは勧誘として使われるようです。
  • Shit get fucked up around here
    スティーヴン(サミュエルジャクソン)が愚痴りながら書斎へ来いと言うシーン。「クソ(つまらない)・は・もうダメ/台無し・付近」、なんだこりゃ。前後の台詞に混ぜ込んで「使用人に文句一つ言わないとはアンタそりゃダメだろ何か言ってくれよ困るぜオイ」みたいなニュアンスだと自己都合解釈。
  • in the skull of Old Ben, unburdened by genius
    この場合の Old は故人の故みたい。後文はよく分らない。unburden - burden ~背負う担ぐ打ち明ける解放する。日本語吹替では「知性が欠けてる」とある。genius は時に「神」をも示す言葉らしいが、前文で科学者の名前が出ているので、「天才」が適当。「天才によって打ち明けた」‥何だか厄介。
    考えたのは先ず、"頭蓋骨内部の窪みの存在は骨相学の研究者(天才?)が比較して発見し紐解いた"
    次に、"ベンは天才ではなく黒人に生まれたからこそ、天才の所業から免れ骨相学の素材として役に立った"
    という方向での意訳を検討してみたが、原文に含みがありそう。お世辞でも自分が「万に一つの黒人」と称したジャンゴに実は騙されていると気付き、自他共に辱められた事に対する怒りを噴出させるシーンなので、吹替え翻訳の台詞「ベン(黒人)は知性がない、天才ではない」が適当だと思う。
  • I got to say
    驚いたぜ~ 言ってみると~、言うべきことを把握したニュアンスで?
  • Then I say ~と言えば、~と言うと
    意味用法:Then I say “Sorry,”,It says “Sorry.”~こだま
  • Most of 'em.. Well, more than most.
    大勢の奴隷が始末されるところを見てきたことを意味する発言
  • トラブルメーカーの訳
    リトルトラブルメーカーはおてんば・じゃじゃ馬・いたずら娘等、ビッグトラブルメーカーは暴れん坊など、「成程」と思う訳を拝見拝聴したのですが、視聴者側の心象に委ねて、そのまま"トラブルメーカー"と記載しました。

資料

自由の身とは何か?解放奴隷の証明書 Freedom paper
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1260536372
アレクサンドル・デュマ・ペール - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%A5%E3%83%9E%E3%83%BB%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%83%AB
デュマは黒人系(父親が混血)という適切な吹替台詞に対し、原文は is Black. (黒人だ)。それだけカルヴィンに対して「君は知ってるようで知らない。表面的な人間だ。もう黒人って言っておく。ターコ」というシュルツの憤りが見て取れます。

サントラ~音楽

選曲と使い方が上手い、と思えてしまう。
http://en.wikipedia.org/wiki/Django_Unchained_%28soundtrack%29
Django
Django(1966)の英語版(歌:Rocky Roberts)テーマ曲を使用し、ムチ打ち音(SE)をアクセントに。
Jerry Goldsmith - Nicaragua アンダー・ファイア(1983)
ダルタニアンが噛み殺された後の物悲しいインスト
2pac & James Brown - Unchained (The Payback/Untouchable)
ビッグハウスでの銃撃戦後半で流れるラップ
Johnny Cash – Ain't No Grave
鉱山社への道中シーンで流れる曲
In the Sweet By-and-By
葬儀後、屋敷へ戻ってきたシーンでサミュエルLジャクソンがイイ声で歌う曲。
Trinity (Titoli) (Annibale E I Cantori Moderni)
エンディング

本作の感想

自力翻訳すると十数回は観ることになります。作品内容については、キャッチコピーな宣伝記事に書かれるほど奴隷問題を扱っていない単なるタランティーノの仁義作品だと判断しました。だからって観てもいないスパイク・リー(や観てもない「永遠の0」を批判する宮崎パヤオ)が怒る理由は分らなくもない。取敢えず怒るなら観てからだと思いますけど、こっそりスパイク・リーが観てたらば、やっぱこの軽さには激怒するでしょう、それほど軽いです。部屋の隅で黒人同士の殺し合いを命じ、負ければ殺させる行為をゲームとして当然の様に観戦する白人種の構図シーンを見せられても、やはり現実の人民裁判とか強制○○とか人身幼児売買とか人間牧場赤ちゃん牧場とか奴隷なんとか等を見聞きすれば、この映画の映像演出は軽い訳です。

ですから、この映画を観てワザワザ黒人奴隷問題に触れ訴えるような映画ブログレビューを書ける方はクソ面倒な人間だと思えます。ブリットル(シェーファー)兄弟のリルラジをムチ打つシーンは単に個人的な恨みの解消ですから、「黒人が白人を鞭打つカタルシス」とか無い。そもそも、奴隷制度を/黒人差別の実態を知らない僕ら日本人が語れるわけが無い。銃社会もそう。まぁこの辺の説明は町山氏(のトーク)にお任せします。

そこまで軽い内容の2時間映画、でも観易い。一々エピソードが良い。思わずニヤリとするタランティーノ節の塊でしょう。銃撃戦では血しぶきが飛ぶ訳ですけどタランティーノといい、三池監督といい、深作欣監督といい、‥まぁその系譜なのでアレで良い訳です。

サミュエルLジャクソンのキャラは漫才です。大体あの頭は何なんですか? 白髪をちょこんと丸く残したヘアメイク自体が既にお笑いでしょ。一人ノリツッコミ?やってます言ってますよ。ボヤキ漫才グチ漫才のオンパレード、ほんま漫才やなぁ~と思えます。これ何パターンも演技して撮影して編集で選んだ、とか十分ありそうです。(これ真剣に打ち合わせた演技か?遊びもあるよな?)と思える程 不要な動作を入れてる気がします。監督との仲もあってか、ジャンゴの復讐を一身に背負う大変美味しい役どころ。「黒なのに白を利用し黒を蔑む」とゆー位置付けの悪役として解釈されてしまう訳ですがハッキリしないこの映画の悪役を浚っていくような単なる美味しいキャラだけでしょう。設定上、腹黒い印象を観客へ与えるわけですが、演技や台詞から伺えるコミカルさからすると、スティーヴンはスッカリ年老いた意地汚いおもろいオジーチャン人間にしか思えない。それほど実際の現実の現在の高齢者らの世間体が酷い訳ですよw

このように、真面目に残酷とか非道とか外道で語れる真面目なヒールキャラが全く不在な"クールな映画"ですから、やはりスパイク・リーは「おめぇ軽すぎんだろ!こっちは真剣にやってんのにさ、ちぇっ」と怒るんでしょうね。しかし、Lジャクソンの「マダファカー!」は映画史上の歴史的重みが感じられる妙なオマケが発生してしまいました。

脇役のキャスティングは凄そうです。登場する汚ないオッサン連中キャラも、あれ殆どがキャリア十分マニア度高レベルの俳優揃いで、マカロニスパゲティウェスタンとか監督と世代や趣味が合うとダラダラ涎が出るレベルでしょうね。ちょっと役名と俳優名を検索すると凄いキャスティグなのが簡単に分ります。また黒人女性キャラの面々も中々魅力的で物語りに相応しい大した演技を披露しています。卵割って木に括られるリトルジョディとかそこへ案内するベティナとか可愛らしい。

主役級のキャスティングは、それぞれのファンが絶賛する事だろうと思われます。ケリー・ワシントンの(惚れた男性に対する尊敬の)拍手と笑みは世界に通じる女性の可愛らしさかと思います。地上花火からテロップまでは稀に見る最高の(大)団円だと思います。

Dr.シュルツが「我慢できなかった」とやっちまう流れには、やはり無理と無茶(と快感と笑い)がある訳ですが、まぁ仕方ないでしょ、あぁしないとヤッパ(刃物)じゃないピストルを使ったドンパチ&ブシュドバッ!が描けないし、監督の出演シーンがなくなるんですからね。「最初から12,000ドルでブルームヒルダを買います!」と申し出ておけば、普通ではない(がそれが異常でもない環境に生まれ育った)農園の御曹司はさっさとブルームヒルダを売って、、、、とか考えてしまう人なら映画中盤以降、崩壊状態で鑑賞されたと思いますから、シュルツが殺された後の話は本当にオマケ感タップリだったと思われます。お守りとなったスミシィバコールの手配書のフラグとか、あの後に回収する訳ですし、乾いた泥の上を棺おけを引き摺りながら登場する訳有りイタリアコンテンツへのオマージュなので、シナリオの温さは全然アリでしょう。それにしてもスカっと抜けた気分になれる映画です。

最後にやっぱり、レクィント・ディッキー採掘鉱山社のフランキー(タランティーノ監督)が最高に美味し過ぎる件です。妙な会話を台詞を自分に用意してるし、わざわざサドルバックの中身をゴチャゴチャ確かめるシーン(ここ何度見ても笑えます)を用意してるし、一番派手に消える割に一瞬だし、ほんとナイトシャマラン並みに酷い。「マーシャーール!」と慌てふためく居酒屋店主でよかったのに。あの爆破シーン撮影で「俺サイコーにカッケー」とほくそ笑む監督を想像した映画通はさぞ多かったと思います。

美術・小道具・衣装・生活様式の再現性などディテールに関する部分は、かなーりよく出来ているのではないでしょうか。小道具といえば、全裸で逆さ吊りされたジェイミーフォックスが陰部を握られるシーンがあります。「ムーンライトさん」なんてジャンゴから言われたビリー・クラッシュが、焼いた大ナイフをもってオカマっぽく歩き、ジェイミーフォックスの陰嚢を握って名残惜しそうに離す演出があるのですが、日本版はボカシ入ってましたね。海外版はよく見たらブラ下がってるモノが見えますが、あれこそこの映画で中々凝った小道具だったのではないかと思います。結構ホンモノぽく見えますがアレが本物だと余計なゴシップになりますし、形状からするとラバー樹脂?製のような質感と赤みがあります。本物だと肌の色またはそれ以上黒いのでアレは作り物だ。

因みに "ジャンゴ ジェイミーフォックス 陰部 本物"と検索すると(この時点では)、クエンティ・タランティーノ監督が南北戦争以前のアメリカ奴隷制度という陰部を暴き晒し描くディジャンゴアンチェインド との候補が挙がってきます。いやだから、そんな映画じゃねーって。

本作の好批評記事

ジャンゴ 繋がれざる者 | 映画のメモ帳+α
http://moviepad.jugem.jp/?eid=522
歴史からも自由なタラのテーマ ジャンゴ 繋がれざる者 - 小覇王の徒然はてな別館
http://d.hatena.ne.jp/susahadeth52623/20130305/1362484566
前田有一|超映画批評「ジャンゴ 繋がれざる者」55点(100点満点中)
http://movie.maeda-y.com/movie/01739.htm
ジャンゴ 繋がれざる者(アメリカ映画・2012年) : 映画評論家 兼 弁護士坂和章平の映画日記
http://sakawa.exblog.jp/18598631/
「ジャンゴ 繋がれざる者」|朝日新聞デジタル
【柳下毅一郎・映画評論家】
http://www.asahi.com/culture/articles/TKY201303080178.html

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