全ては仕事を軸に動きました。振り分けられた住まいでの生活は、規則さえ守れば自分流で問題は起こりません。それなのに、他人には心を乱されます。表向きは 一般的でありながら、実は全く協調意識の薄い若者達、立場の違う 一部から感じ取れる私達への差別的言動だけでもなく、特に旧知から時折入る近況の知らせや挨拶は、私にとって彼らからの "悪意のない知らせ" でしかなく乱心に近いものを得ました。中途半端な気遣いは反って無意味であると彼らに言い返したいほどでした。耐え忍ぶことを求められる生活、集団に埋没し自分を隠すような身の上である中、 目にする故郷からのあのような報らせ、周囲の人間達の身勝手な行動、至る所で耳に入る他人の会話、これらが私へ向けてくる言葉の全てが不快でならなかったのです。思いの外でした。身を置く環境ではなく、周りに居る人間達が不快の最もな原因だったのです。我慢、辛抱、断念、行き先の見えない不安、こういった精神状態に追い込んだ自分は理性的では無く、感情に支配されています。不安が心を覆った中、且つ前向きな精神を保てるのは恐らく会いはしない電信網の向こうに在る少数の人たちでした。私が私 らしく居られるのは彼らの前だけだったのです。
091109ルーマニア革命 竹松俊一のランダムウォーク日記 - ベルリンの壁崩壊から20年 |
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