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児童ポルノ規制の風潮が、商品流通規制に

2009年5月、主だった通販サイトが自主規制の下、不都合なタイトル商品を削除し始めた。

Amazonの削除リストを確認する。
アダルトビデオ制作側は倫理審査機関を設ける。百社は越える制作メーカーには派閥がある。
その派閥ごとに倫理審査機関がある訳だ。ジャケット裏紙面にあるホログラムシールが
審査済みである事と、商品がどの派閥に属しているか、を示している。

Amazonの削除タイトルには、有名な倫理審査機関である、メディ倫やVISC商品を含んでいる。
削除の理由は「出品禁止商品」なのだが、倫理審査済みの商品だ。「出品禁止」の理由になっていない。
Amazonは、AVに関して独自倫理規定を発令出来る機関や権限を持っているのか?初耳だ。

削除の理由は只一つ、商品タイトルに、レイプ、強姦・・・と残虐な意味を含む単語を含んでいるかどうかだ。
指摘されて当然の曖昧な理由で削除したのは、審議中の法案の影響と関係するのは明白だ。
児童ポルノ禁止派の議員と裏関係があってもおかしくない、こんな憶測を許すだろう。
粗野で臆病な合理的対処が、Amazonの体質を曝け出してしまった。



ここからは真摯なアダルトマニア向けの話。
誤解ないよう説明しておくが「真摯なアダルトマニア」とは、物事の裏を見定め、
出演者を正しく評価できる知識層のことだ。
あらゆる”物”にはファンが着く、車、家電、経済、政治、何事に置いても批評者がいるように
アダルトビデオにも批評家がいる。誰とも群れない孤高の立場であるが(苦
批評家とは斯うあるべし、という姿勢は共通だ。

あまり見ない人が気分で商品を求めた結果、中を検めて「タイトルやジャケット写真に騙された!」と
思うことがあるだろう。アダルトは、ゴシップ文字や過剰表現が特に多い。
品定めする方の行動を見ると・・・表を見て、裏返して見て・・・と、只ジャケットを確認する。
(実は、商品への興奮は、この時点で完結しているのだ)

買い慣れている方は裏紙面を確認する。理由は「表紙で買うと失敗するから」と、口を揃えて言う。

裏表紙に何があるか?
女優の悶え顔だ。表紙がどんなに笑顔でも、アダルトビデオである限り、どうしたって笑顔より
悶え顔が多いに決まっている。
それに、紳士は女性の豊満な乳房や美しい立体曲線を描く肢体や恥じらいを魅せる恥部に
興奮するのではない。女性の表情に興奮するんだ。
挿入行為中も、結合している部分だけを始終見て、一人勝手に興奮する男性パートナーがいますか?
愛する彼は貴女の顔を見ている筈だ・・・女性の恥らう表情(反応)が男を悦ばせる。

本質は、一般商品のパッケージやCM、カタログを読み取る事と共通する。
内容を確かめて粗い内容だと判断した場合、改めてジャケットを眺め、キャッチコピーやデザインを
検討した担当会社の頑張りに感心することがある。いや、商品を説明付けた制作メーカー側の
苦し紛れの頑張りに、か。
収録していない行為を堂々と印字しているケースもあった。
過剰を通り越し、嘘を商品に印字。食品なら大問題だ。アダルトには偽装を違法とする法律は無い。
だから、アダルトを買い慣れた方は、出演者と裏表紙でしか判断しない。

昨今の流通拡大による認識の定着で、視聴者は「作り物」と解って視聴するのが常識だ。
作り込んだ演出でも、必ず隙があり(だってAVだもの)、実際はコミカルな内容だ。

見てこそ判る内容の本質。
こと性関連では、判断基準と云うものが嘲笑を帯びる形で取り沙汰され執行される。
上記流通サイトにも同じ印象を得た。訳も判らずタイトルで落とす。
馬鹿を通り越した処置には苦笑が伴う。

AVは18歳未満の視聴禁止だ。
削除リストに挙げられた商品中、本編に「これらの行為は犯罪です。」とテロップを流す物がある。
TV番組と似たものだ。企画や配役、お断りにコマーシャリング・・・類似点が数多く存在する。
TV番組もアダルトビデオも同質だと言える。
「18歳にもなれば判断能力は付いているよね?」と、AVに言われているのだが、
改めて考えると恥ずかしくもあり、不機嫌にもなる(笑


ハッキリ言って、AVを「本当の事だ!」と思っている方は少数だ(が制作者は喜んでくれるだろう)。
TV番組と同じく、驚きや興奮を与えるだけの作り物なのだ。
欲求凌ぎという点では音楽や映画や書籍と同じ扱いでもある訳だ。経済本や法律本と同じ批評を
AVに向ける事が出来るか、どうか。AVに関して興味深い批評を下す人は少数だ。
何故なら真剣に解釈する事を考える対象に毛頭アダルトビデオは成らないからだ。
TV番組に例えて言ってみよう、・・・テレビを見て子供が「おとうさんおかあさん、これ本当?」と問う。
その時、大人である貴方は、どこからどこまで事実か説明出来るか?と似ている。
「おい、テレビの言うことはだな・・・」と言うか、子供と同じく「これ本当かしらね?」と言うかどうか・・・


模倣行為による犯罪助長について。
犯罪的な企画AVを見て「やってみたい」と真似するケースを危惧するだろうが
犯罪行為と分っていて真似に走る類いの人間は、あらゆる局面で危険人物でしょうが。
個人の判断能力を問われる社会に生きる人間に、随分と無礼な事を先生方は仰る。


AVの制作背景を知れば知るほど、一般企業と同じく、流通の中にシッカリ組み込まれた
商材/業界であることが解る。今の時代、大規模流通の手法は全業種同じに決まっている。
冒頭に述べた、外からの曖昧な規制を受けても、AV業界に大した打撃を与えることは出来ない。
それほど強かな産業だ。人間の三大欲求に含まれる商材だから。

こう思う。
年齢規制した商品だが、更に規制を設けた方が良い。これは外からではなく、内省として。
例えば「ジャンル初心者禁止」、「真似する方禁止」・・・こんな馬鹿馬鹿しいテロップを設けるとか。
AVには、こういう洒落が許される。だった世間のシモネタには笑いが憑き物でしょ。

そもそも真剣に解釈する事でもない、男性の性処理として作られた物なのに
強烈な実現偏向を抱くことを懸念する世間とは、一体対象者をどう見ているのか・・・。
危惧は、意図された表面的アピールにドップリ惑わされ「けしからん!」と息巻いているだけの様だ。
つまり、嘘の多いパッケージに騙されているのは、公職議事の場に集う先生方じゃないか?

アダルトに限った話ではなく全ての提供物に言えるが、表面的なアピールが強すぎる昨今
積極的に質を問い、判断/評価する姿勢が、これまで以上に必要だと思う。
学者という立場でも研究の姿勢に問題があるように、一般人でも感心する程詳しい人がいるように
よく考え追求し解決する必要が改めて問われていると思う。
そうでなければ大惨事に於いて、我々は混乱し、何も解決出来ない民族になるだろう。

提供側や主催者の規制(またその背景)が苦笑を帯びることで、受取り側がまた一つ賢くなったのだが
こう思える人が少しでも多く居てくれれば幸いだ。

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